【これが現実】アメリカ新卒ATCのリアルとは? [忙しい?ビザ・給料は?]

 

こんにちは、Showです。

今回は、ATCとして実際に働き始めて見えてきたリアルなところを

・仕事内容

・ビザ

・給料

・労働時間

 

の4つの観点から紹介していきます。

あくまで個人の感想にすぎませんが、自分なりのアドバイスも併せて書いているので

これからATCを目指す人の参考になれば幸いです。

 

はじめに

本題に入る前に経歴をさらっと、

私は昨年の5月に大学院を卒業し、その後MLB球団でインターンシップを4ヶ月経験し、

9月頃から今の職場で働き始めた新人のATCです。

そんな私ですが、実際に働き始めてATという仕事の素晴らしい所もそうで無い所も

よりリアルに見えてきたように思います。

大学院に入った当初、あの忙しい大学院生活をしてきた先輩ATCの凄さを思い知りましたが、

働き始めてより一層その凄さに気付かされました。尊敬しかないです。

今回の記事では、そんな先輩ATCも経験してきたであろう

アメリカで働くキャリア序盤のATはどんな感じなのかを紹介していきます。

 

仕事内容

まずは、仕事内容から。

今は、大学でフルタイムATCとして働いています。

主な仕事内容としては、平日にATクリニックで選手を見ることと

平日の練習週末の試合やトーナメントをカバーすることです。

担当のスポーツは、クラブスポーツ31チームです。

クラブスポーツには、アイスホッケーやサッカー、ラグビーなど多くのスポーツがあり、

スポーツでの奨学金が貰えない、運営を学生主体でやらなければならない

といった制限がある中でも本気でスポーツに取り組みたいという学生が集まっています。

このポジションは私が初めてのフルタイムATなので、

立ち上げから任されるというあまり経験できないこともさせて貰って、

色々と大変なこともありますが、試行錯誤しながら働いています。

 

担当スポーツについて

ここで少し、一年目で担当できるスポーツについて紹介します。

学校の規模やスタッフ数などにもよりますが、

メインスポーツと呼ばれる野球やバスケットボールなどは競争率も高いので、

経験年数ゼロだとメインスポーツでフルタイムポジションを勝ち取るのは

難しいように感じました。もちろん可能性がゼロでは無いです

よく求人で見かけたのは、陸上競技水泳

あとはフットボールなど複数ATが働くスポーツでのアシスタントポジションで、

特に大きめの学校でのメインスポーツの求人はほとんど見かけませんでした。

もちろん自分の理想のスポーツや学校で働けるのがベストですが、

これから就活をする人は、プランBやある程度の妥協点

考えておいた方が良いかなと思います。

 

今の仕事自体は…

正直な話、私自身は今の仕事が理想の仕事とは思っていませんが、

複数のスポーツを経験できることや、基本的には自分のやりたいようにさせて貰えること、

ビザサポートやDATプログラム(博士課程)の授業料免除などを総合的に考えると

初めてのフルタイムポジションとしてはかなり良い環境だと思っています。

今はとにかく自分の知識や経験をレベルアップして、

来たるチャンスを掴めるように日々働いています。

この辺りは人によって考え方が違ってくる所だと思うので、

自分の納得できる環境を探すのがベストだと思います。

 

ビザ

私は大学院卒業後、OPTを使った後ありがたいことに

学校からH1Bビザのサポートをしてもらいました。

アメリカに残るためには、大学でのH1Bが落とし所になるだろうと考えていて、

今の学校はH1Bのスポンサーをしていることも事前に知っていたので、

ここまでは作戦通り来ることができました。

このままグリーンカードまでいければと思っています。

 

過酷な現状

アメリカで働いている(働いたことのある)ATCやPTと話していると、

多くの日本人ATCOPTやH1Bが切れるタイミングで、

日本への帰国を余儀なくされるのを見てきたと言っていたので、

これからATCになってアメリカで働きたいと考えている人は

ビザに関してしっかり調べて考えておくことをおすすめします。

 

ビザサポートの注意点

また、見落としがちなのが、ビザを出してくれるからといって、

仕事内容(スポーツやレベル)場所給料妥協し過ぎると、

その環境に数年単位で居続けることになる、または、

仕事を辞めて大変な就活をやり直す日本に帰国ということになります。

アメリカに残るためにビザは必要不可欠なのですが、

ビザに執着し過ぎることで、仕事環境だけでなく

プライベートにも影響が出る可能性もあるので注意が必要です。

ここのバランスは難しいと思いますが、自分の中で優先順位を決めておくのが良いでしょう。

 

H1Bビザスポンサーについて

大学によっては、教授などのFacultyにはビザサポートをするが、

ATなどのスタッフにはしない所もあるみたいなので注意が必要です。

H1Bのスポンサーをどのポジション(役職)にしているかは、

ネットである程度までは調べられるので、

自分で調べたあと、学校側に直接確認しましょう。

また、現在多くの大学でGAポジションの代わりに

インターンやResident/ Fellowというポジションができていて

経験年数が無いとフルタイムで雇う代わりに、

初めはそれらのポジションで雇われる場合もあると思うので

その際には、OPTが終わった後にビザが出るのかフルタイムに変われる可能性があるのか

確認しておくことも大事になってくると思います。

 

給料

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Photo by Karolina Grabowska on Pexels.com

元々、そこまで給料の良い仕事でないことは知っていたものの、

実際に自分の給料だけで生活し始めて、その大変さを痛感しています。

アメリカの大学は給料を公開しているところも多く、

隠してもしょうがないので言いますが、

給料$42k、家賃$900(Studio)、ローンの返済$300/月、その他諸々の生活費、

物価は比較的安い(家賃相場は少し高め)地域に住んでいますが、

体感としては、大学院時代と同じような切り詰めた生活をしていけば、

毎月少しだけ貯金できるかなって感じです。

贅沢な生活をしたり、怪我や病気などの予想外のイベント、

学生ローンや車のローンの支払いなどもとなると

かなり苦しい生活になると思います。

 

昇給について

一年目なんてそんなもんだよって思う人もいるかも知れませんが、

今の職場だと一年で約2%くらいしか給料が上がらず

数年経験のある先輩ATとも3000ドルくらいしか1年間の給料が変わらないので、

伸び率もあまり期待できません。

ボーナスも一応あるみたいですが、出たとして夏に1000〜2000ドルらしいです。

仕事の性質的にも、一般的な企業みたいに昇格や昇進を頻繁にするわけではないので

労働年数に応じた昇給が基本になってくるのだと思います。

詳しい訳ではないので、もし間違えてたら教えてください。

 

福利厚生について

私はフルタイムなのでしっかりとした福利厚生401Kもありますが、

フルタイムでは無くインターンFellow/ Resident として雇われると、

フルタイムよりも給料や福利厚生がよく無い可能性があります。

また、プロスポーツだと食事が出たり家賃補助があったりしますが、

大学ではそういった福利厚生はありませんでした。(あくまで私の職場の話ですが)

就活の際は、給料だけでなく福利厚生の有無や良し悪しもかなり大事になってきます。

 

AT留学の金銭的なリターンは?

AT留学において、少なくともキャリア序盤では、

お金的なリターンは小さいと言えるでしょう。

H1Bビザだと副業もできないので収入を増やすことも難しいです。

なので、日本と比べてアメリカのATは給料良いよね

っていう安易な考えで来ると痛い目に合う可能性は高いので注意が必要です。

私自身、この給料面に関してはかなり危機感を持っているので、

お金関係のことも勉強しながら何とかやりくりしています。

 

 

労働時間

ATというと、朝から晩まで、休日返上で働いているイメージもあると思いますが、

現状はそこまで悪くはないです(感覚がおかしくなっている可能性はありますが 笑)。

夜10時から試合があったり、土日が試合で潰れたりはしますが、

学生の時よりも自由な時間はあります

これからDATが始まったり、カバーするスポーツが増える可能性があるので

それがどう影響するかはわかりませんが、

労働時間に関しては、働く場所やスポーツ次第なのかなと思います。

この労働時間の問題は、給料と並んでATがキャリアチェンジする

大きな要因になっているみたいで、改善しようとする動きは見られますが、

スポーツ現場というATの仕事の性質上、中々難しそうです。

 

 

最後に

アメリカに留学すること、生活すること、就職すること、働くこと、

どれも簡単なことではありません。

ですが、この経験を通して多くのことを学んで成長できることも確かだと思います。

せっかくSNSなどで情報収集のしやすい時代に生きているので、

良いところもそうじゃ無いところも調べて・聞いて、

それらを踏まえた上で決断するのが良いのかなと思います。

偉そうなことを言っていますが、私もまだまだ未熟な新人ATなので、

この先の色々な可能性を模索しながら、何とかアメリカで生き残りつつ

まずはATとしてレベルアップしていけるよう頑張っていきます。

今回の記事が誰かの参考になれば嬉しいです。